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水石の鑑賞
 
水石は、右の写真のように床の間に飾られる事が最も基本的です。写真例では、床の間に卓を据えその上に水盤に据えられた石があり、壁面には掛け軸を垂らしています。
水石は、山水美を床の間空間に表現し、それを入り口として深い感慨を味わう、いわば心の芸術と言ってよろしかろうと、思われます。
したがって、当然の事ながら水石は、他の日本の伝統的芸術と深部において一続きのものであり、特に禅や東洋の哲学、そして茶事や生け花、日本庭園、水墨画などと密接な関連があります。
またもちろん、盆栽との関係は相互に深いつながりを持っています。この写真例では、添えとしての盆栽は置かれていませんが、季節感を表現するためのひとつの手段として、草物や盆栽を据える事も、基本的な様式となっています。

この写真例では、前述した添えものとして、草物を据えています。この添えを置く場合、注意すべき点として、石と添え物との位置関係と向きがあげられます。
この写真例では左に水石が据えてあり、右に草物が置かれています。その理由は、石の形状が左に高い山を持つ石であるため、これに対する添え物は、右側に据えられるというきまりに従っているためです。
これを逆に据えた場合全体のバランスが崩れてしまいます。たとえば、上の写真例ですと石の形状は右に高くなっていますので、この場合にはちょうど右の写真例とは逆に据えなければなりません。
 
 
水石の据え方としては、上の写真例のように二通りの方法があります。
まずは水盤を使用するもので、卓の上に水盤を置き、水盤には砂を敷いて石を据える方法。
そして二つ目が、水盤や砂を使用せずに、台座と呼ばれる石に合わせたせて加工した木製の台に石を置き卓上に据える方法です。
どちらの方法にするのかは、それぞれの石の形状や色合い等から感じられる、石のかもしだす全体の雰囲気、または各人の好みによるため一概には言えませんが、茅舎石・姿石等は水盤ではなく台座での鑑賞がひとつの決まり事となっています。
 
     
 
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